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教育資金、どうやって準備するのがおすすめ?

2020.10.05

3歳になるお子さんがいるA子さん。老後資金のことも気になるけれど、そろそろ子どものために教育資金も貯めたいと考えています。家計にはあまり余裕がなく、何か良い方法がないか、いつものようにFPの石井順子先生に相談してみました。

A子さん:
先生、老後資金も心配ですが、そろそろ3歳になる子どものために教育資金を準備したいと思います。今から始められる投資がありますか?

先生:
この前お話した通り、投資には時間が必要です。お子さんの進学まで15年あるので、株式投資信託の積み立てで準備できたらと思います。複利効果などを考えると、お子さんのお誕生後すぐ始められたらよかったですね!
A子さん:
本当にそう思います。もっと早く勉強していればよかったです。
先生:
教育資金の運用ですがお勧めが2つあります。
前回もお話しましたが、ひとつは「つみたてNISA」です。運用益が最長20年非課税ですし、コストが低い投資信託を選択できるので効率的に資産を増やすことができます。
もうひとつは「つみたて変額保険」です。保険料の一部を運用し、その運用成績によって保険金や解約返戻金が増減する積み立て保険の一種です。生命保険で死亡保障がつきますので、その分コストはかかりますが、死亡保険としては他の貯蓄タイプの保険に比べ、保険料が低く設定されています。今現在、掛け捨て保険をかけていたら、そちらを減額して「つみたて変額保険」に充てるのも良いでしょう。保険料も割安ですし、子育て世代に適した保険だと思います。運用する投資信託は少額積み立てでも、複数の組み合わせが可能なので効率が良いです。
A子さん:
ママ友の家では学資保険に入っていると聞いて気になっているんですが、どのような商品ですか?
先生:
教育資金を貯める目的の保険です。お子さんが大学に入学するタイミングなどに満期を設定し積み立てるのが一般的です。中学や高校の入学時期に祝い金が支払われるものもあります。通常、積立期間中に親などの契約者が死亡した場合、保険料払い込みが免除となり、契約時に約束されていた時期に学資金を受け取ることが出来ます。

A子さん:
先にご説明いただいた積み立て投資と学資保険はどちらがお勧めですか?
先生:
以前の学資保険は魅力的な商品でした。払い込んだ保険料以上のリターンが満期金として約束されていましたが、保険商品の運用利回りを表す予定利率の低下で、現在の学資保険は元本割れするものも多いです。バブル期に6%以上あった予定利率が現在は0.25%だから仕方ありません。たとえ元本割れしなかったとしても利益を考えるとわずかです。長期運用としては適していないでしょう。
先にご説明した積み立て投資には元本保証がありません。またお子様の進学までに何らかの理由で解約をした場合、運用期間が短ければ元本割れの可能性は大きいです。ただ、前回お話した通り、積み立て投資は長い時間をかければ成果が期待できます。大学は通常22歳で卒業なので、すべてを18歳で取り崩すのではなく、その後も運用を続けることが可能です。進学時期が近くなったら、一部を株式投資の積極運用から預貯金や安定運用の債券投資へ切り替えるなどで運用利益を確保することもできます。
物価が上がるインフレを考えれば、教育資金の一部でもよいので投資の選択は必要だと思います。毎月の貯蓄もたくさんは無理という場合はなおさらです。
A子さん:
やっぱり積み立て投資がいいのですね。家計にあまり余裕がないのでたくさんの積み立ては難しいです。
先生:
教育資金としていくら必要か、実際はいくら積み立てるべきかを考え、合わせてなぜ家計に余裕がないかを考えてみることも必要です。お子さんが通う保育施設が無償化対象施設であれば、3歳からかかる予定だった保育料を積立に回すことも可能ですね。家計見直しにチャレンジすることもお勧めします。
A子さん:
そうですね。もう一度家計を見直してみます!

  • Profile
  • ファイナンシャルプランナー
  • 石井 順子(いしい  じゅんこ)
    三菱銀行、日興コーディアル証券、日本生命での勤務を経て、独立系ファイナンシャルプランナーとして2007年11月より開業。銀行、保険会社、証券会社勤務の経験を活かし、どこの金融機関にも属さない、中立・公正の立場をとっている。得意分野は家計見直し、資産形成、生命保険。新潟市を中心に活躍中。
   

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