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共働きの子育て世帯の家計改善って?

2020.10.20

お金の心配があるといつもFPの石井順子先生に相談していたA子さん。そもそも家計にあまり余裕がありません。どのようにしたらもっと改善できるのか聞いてみることにしました。

A子さん:
私のように共働きで小さい子どもがいて、なかなか家計に余裕がない方から相談されることも多いと思います。実際どのようなアドバイスをされますか?私もぜひ伺いたいです。
先生:
そうですね。A子さんのようにお仕事も育児もがんばっている方は、ゆっくり家計のことを考える時間がなかなか捻出できないので、頼られることが多いですね。
お金のことは、目先だけではなく、先のことも含めた全体で考えることが大切です。部分的にがんばって改善できたとしても、根本が解決していなければそれは無駄な努力になってしまうかもしれません。
必要なのは金融リテラシーです。金融リテラシーとは金融に関する知識や情報を正しく理解し、自らが判断することのできる能力のことです。少しずつでもいいので、金融リテラシーを意識していくことが大切です。

家計に余裕がない=お金が貯まらない、ということですよね。
お金を増やすには
1.収入を増やす
2.支出を減らす
3.お金に働いてもらう
の3つを意識し、支出だけではなく全体で考えてみましょう。

【1.収入を増やす】
まず、収入を増やすには働き方を考えてみましょう。
A子さん世帯は共働きでがんばっていらっしゃいますね。専業主婦、パート・アルバイト、正社員、働き方は色々です。ご自分が置かれている状況によってパートやアルバイトしか選択できない方もいらっしゃると思いますが、将来にわたる収入を考えると、公的年金をきちんともらうためにも正社員として働くことが望ましいです。
ただ、昔と違い、今は副業など働き方の選択肢も増えています。収入アップがスキルアップにつながることもあります。
将来の夢として起業などを考えている方もいらっしゃるかもしれません。若いうちはどんどんチャレンジしてほしいです。

【2.支出を減らす】
次に支出を減らすことを考えてみます。優先的に取り組んでいただきたいのが固定費の見直しです。住宅ローン、生命保険など、正しく見直すことができれば家計費用だけでなく、将来資産も大きく増やすことができます。ここにも金融リテラシーは必要です。
住宅ローン、生命保険など大きなお金の契約は、将来を左右する事項となるため、必ず複数社のプランを比べることが必要です。
また、家計を圧迫している通信費やサブスクリプションなどは、本当に必要なのか、そのプランでいいのかよく考えてください。
流動費に代表される食費なども同様です。習慣になっているようなお酒、お菓子は、少しずつ減らしてみましょう。お財布も体も喜びます。

【3.お金に働いてもらう】
最後に、お金に働いてもらうことはとても重要です。
ゼロ金利の預貯金で将来の資産を増やそうと思ってもむずかしいのが現状です。インフレ=物価上昇はお金の価値を下げるものです。元本保証されているから安心ではなく、実質目減りするものだと理解し、投資に目を向けてみましょう。
お金を増やすには毎月手取り収入から先に貯蓄額を決める先取り貯蓄をアドバイスしていますが、その貯蓄の中から一部投資に回す先取り投資がお勧めです。
投資については基礎知識が必要です。若いうちに正しい知識を身につければ時間をかけて大きく資産を増やすことができるはずです。
投資の中でも、少額投資つみたては長期運用で安心して資産形成することができるのでお勧めです。まずは怖がらずに始めてみましょう。

最初からすべてを何とかしようと思うのでななく、優先順位をつけてひとつひとつやっていくことをお勧めします。一人で頑張りすぎない、家族を頼る、あるいは私もいつでもお手伝いしますよ!

A子さん:
ありがとうございました。
先生のアドバイスを参考に、我が家の家計改善に取り組んでいこうと思います。困ったときはまた相談に乗ってください!

  • Profile
  • ファイナンシャルプランナー
  • 石井 順子(いしい  じゅんこ)
    三菱銀行、日興コーディアル証券、日本生命での勤務を経て、独立系ファイナンシャルプランナーとして2007年11月より開業。銀行、保険会社、証券会社勤務の経験を活かし、どこの金融機関にも属さない、中立・公正の立場をとっている。得意分野は家計見直し、資産形成、生命保険。新潟市を中心に活躍中。
   

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