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保険見直しのベストタイミングは?

2020.08.05

先日、FPの石井順子先生に自分に合う保険について相談にのってもらったA子さん。今度は保険見直しのタイミングが気になり、今日も石井順子先生を訪ねました。

A子さん:
先日はありがとうございました。先日は自分に合う保険を教えていただきましたが、今日は保険を見直す時期について教えてください。

先生:
一般的な保険見直しのタイミングは、環境の変化、例えば社会人になったとか、妊娠、結婚、出産、あるいは離婚、離職、転職、転居などでしょうか。また、家を買ったとき、住宅ローンを組んだなどローンを利用し始めた時、また子どもが社会人になった時など様々ですね。
更新型の保険に入っていると、更新時期に保険料が大幅に上がるので見直しせざるを得ないでしょう。
A子さん:
更新型というのは10年ごとに保険料が上がるタイプですね。私が加入している保険です。しばらく保険料が上がらないからとあまり気にしていませんでしたけど。
先生:
更新型の保険には様々な種類がありますが、A子さんの保険は定期特約付き終身保険ですね。10年、15年など、契約時にあらかじめ更新時期を決めるタイプの保険です。更新型の保険料は、更新時に現在の保障を継続するとなると保険料が2倍前後など大幅に上がる場合が多いため、見直しが必要です。
加入してから更新時期までは保険料が安く保障内容もデラックスですが、更新の度に保険料が上がり続けるので、本当に保障が必要な時期に保険料の支払いができなくなくなってしまうなどの問題が起きます。
昔は右肩上がりのお給料で景気もどんどん上向いていたので、保険料の上昇については気にならなかったかもしれません。
こちらの保険は保険料のほとんどが掛け捨てになっているので、すぐに見直しても差し支えないと思います。
掛け捨ての保障はシンプルに、貯蓄はしっかり、がお勧めです。
A子さん:
現在、保険料も安く充実した保障内容で加入しているのに、今すぐの見直しが必要でしょうか?次回の更新のタイミングでよいのではないでしょうか?
先生:
おっしゃる通りですね。
ただこの先いつでも保険に加入できるとは限りません。
保険は健康でなければ加入できません。
今からずっと病気やケガをしないという保証はどこにもありませんよ。
そして保険は、一般的に若いうちに加入すれば保険料も安いです。
早く見直しができれば、見直し後の保障も安い保険料で加入できるので家計にもお得です。
現在使う確率が低い保険にこだわらなくてもよいのではないでしょうか。

A子さん:
健康状態って大事なんですね。うちの家系は糖尿病が心配なんです。最近は健康診断でもちょっと血糖値が高くなってきて…
先生:
健康状態については、一般的に5年以内の状況を告知します。健康診断の結果は2年以内です。
生活習慣病の治療が始まると、場合によっては保険加入が難しくなる場合があります。
そうなると、結果的にA子さんは現在加入している保険を継続するしかなくなってしまいます。
A子さん:
えーっ!困ります!保険料が払えません。やっぱり今のうちに見直した方がいいですね。
先生:
健康状態が気になってきた方も、保険の見直し時期に来ているかもしれません。年齢を重ね、生活習慣病やがんが気になりだしたり、介護の心配が出てきたり。
健康診断の結果、精密検査を指摘されたら?病気が見つかったら?想像してみてください。前回の健康診断が良好なら、次回の検診の前に契約してしまうのがいいかもしれません。
A子さん:
うちの会社の検診は秋なので、早めに見直しを考えます!
先生:
それからがん保険については注意が必要です。一般的に、がん保険を新規に契約した場合、責任開始日(保障が開始される日)から90日の間にがんと診断されても保障の対象外とする「免責期間」というものがあります。がん保険の契約ができたからといって、すぐに前の保険を解約してしまうと保険の空白期間ができてしまうので気をつけてください。
A子さん:
やっぱり保険は奥深いです。まだまだ勉強しなくちゃ!

  • Profile
  • ファイナンシャルプランナー
  • 石井 順子(いしい  じゅんこ)
    三菱銀行、日興コーディアル証券、日本生命での勤務を経て、独立系ファイナンシャルプランナーとして2007年11月より開業。銀行、保険会社、証券会社勤務の経験を活かし、どこの金融機関にも属さない、中立・公正の立場をとっている。得意分野は家計見直し、資産形成、生命保険。新潟市を中心に活躍中。
   

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