マネーQ&A

私に必要な保険は何だろう?

2020.07.20

A子さんは加入している保険について、自分に合った保険なのか気になっていました。そこで、いつも相談に乗ってもらっているFPの石井順子先生に教えてもらうことにしました。

A子さん:
加入している生命保険のことで相談させてください。
結婚して娘も3歳になり、私も夫も結婚前に入っている保険をそろそろ見直さなければと思っています。私自身、自分の保険がどんなものかあまり詳しく分かりません。私に必要な保険って何か、保険の仕組みや種類について教えていただけませんか?
先生:
生命保険は今とても多様化しています。人それぞれ置かれた状況によって必要な保険は違います。
A子さんの家族構成を教えていただけますか?

A子さん:
私が38歳、夫が45歳、共働きの会社員です。子どもは1人、3歳で保育園に通っています。
先生:
子育て世代で責任が重い時ですね。
生命保険の一番の目的は経済準備です。思いがけないアクシデント、または絶対必要な学資金や老後の準備をするために保険に加入します。保険は、みんなで保険料を出し合って、困った人に保険金が支払われるという相互扶助という考えで成り立っています。A子さんのように子育て世代に必要な主な保障は、子どもが独立するまでの死亡保障、病気等に備える医療保障、老後に必要な介護保障や老後保障などがあります。その他に金融商品として、中長期の資産形成のために保険が選択されることも多いです。

保険には、大きく分けると一生保障の終身保険、期間が決まっている定期保険があります。終身は貯蓄性があるものが多く、定期は掛け捨てのものが多いです。
また期間が決まっているけれど満期保険金がある養老保険や、死亡保障がほとんどない貯蓄タイプの個人年金もあります。
資産形成機能がある保険では外国の通貨を利用した外貨保険や投資信託を利用した変額保険もあります。保険料を加入時に一時金で払う一時払い保険や、毎月払う平準払い保険料を先の分まで払ってしまう前納という方法もあり、似ていますが内容は全く違います。

保険は経済準備が大きな目的なので、共働きのA子さんは、万が一ご夫婦のどちらかが亡くなったとしても、生活にそう困らないのであれば、掛け捨ての死亡保険などはあまり必要ない、という考え方もあります。

・子どもが18歳まで遺族基礎年金がもらえる
・夫死亡時には妻は遺族厚生年金がもらえる
・住宅ローンがあれば死亡時に借り入れが相殺される
・貯蓄ができている

以上の条件が整っているのであれば、生命保険にすべて頼らなくていいかもしれません。
A子さん:
確かにそうですね。
我が家は先日マイホームを購入し、ローンを夫婦で半分ずつ組んだので、夫婦のどちらかが亡くなったとき、がんになったとき、借り入れが半分になります。でもやっぱり死亡保障は少しあったほうが安心ですよね。
先生:
お子様が独立するまではやっぱり必要かもしれませんね。万が一を想像してみてください。A子さんが亡くなったら毎月いくら足りないですか?
A子さん:
遺族年金が入って、ローンが半分になって、そうすると毎月10万円くらいでしょうか?
先生:
それなら収入保障という保険がいいですね。お子様が大学卒業の22歳になるまで毎月ご家族に10万円が遺族保障として支払われます。今から19年間、2,000万円の保障を持つより、毎月10万円ずつ支払われる収入保障のほうが、保障も毎月低減していくので保険料が安いです。収入保障保険は、四角い保険ではなく三角の保険だから、面積も2分の1、保険料も半分という理論です。
四角型の保険:定期保険
保険期間中の総受け取り額は変わらない。
三角型の保険:収入保障保険
保険期間中、総受け取り額が徐々に減少する。

先生:
ただ、今は平均寿命も長くなり、死亡の確率は減っています。亡くなるより、大病などで働けなくなった時のことを心配したほうがいいという考えが多く支持されています。収入保障に生前給付(障害や介護、就業不能等)を特約として付けることが多いです。
A子さん:
そうですね。働けなくなっても住宅ローンは返さなければいけないですから怖いです。生前給付があれば心強いです。
先生:
保険はとても奥深く、説明することが多いです。そもそも今加入している保障をどう見直したらいいのか、またどのタイミングで見直しをしたらいいのかなど、次回は一緒に考えてみましょう!

次回、8/5更新予定の第5回マネーQ&Aのテーマは「保険見直しのベストタイミングは?」です。
お楽しみに!

  • Profile
  • ファイナンシャルプランナー
  • 石井 順子(いしい  じゅんこ)
    三菱銀行、日興コーディアル証券、日本生命での勤務を経て、独立系ファイナンシャルプランナーとして2007年11月より開業。銀行、保険会社、証券会社勤務の経験を活かし、どこの金融機関にも属さない、中立・公正の立場をとっている。得意分野は家計見直し、資産形成、生命保険。新潟市を中心に活躍中。
   

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