方法にとらわれて、大切なこと忘れていませんか?(2)
2019.06.20
家に帰ると包丁を持っていた小5の長男と奥から泣き叫ぶ小3の次男の声。
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想像しただけで、冷静ではいられない情景ですよね。
さぁ、Aさんママはどうしたと思いますか?
自分がどうしたいのか?この子とどう関わりたいのか?
彼女は、怒鳴ろうと長男に駆け寄り、包丁を取り上げました。
するとすかさず長男が叫びました!
「コイツ(次男)が言う事を聞かない。コイツ(次男)が言うことを聞かないと、俺が怒られる!!!」
Aさんはハッとして立ち止まり、長男にこう言ったそうです。
「ごめんね。お母さんがいっつも怒ってばっかりいたんだね。でも、憎くて怒っていたんじゃないの。本当にごめんね。お母さんのために頑張ったんだね、本当にごめんね。」
振り返ると、Aさんが長男に心から謝ったのはその時が初めてだったそうです。
その瞬間、これも初めての出来事が起きました。いつも反抗的だった長男が突然、泣き崩れたのです。
長男には次男を傷つけるつもりなんて、もちろんなく、ただ「包丁」を持っていれば、弟に話を聞いてもらえると思ったそうです。
一週間後、また残業があったAさんは、もう過剰な期待をせず、お風呂に入れておいてねとだけ連絡しました。
残業を終えて帰宅してみると、長男と次男は一緒にお風呂に入り、その後3人で宿題も終わらせ、仲良く遊んだそうです。
私が、Aさんにお伝えしたのは「自分がどうしたいのか?この子とどう関わりたいのか?を大切にしてみてはどうかしら?」でしたよね。
こんな風にしてね!とは一言も言っていません。
私たちは、日ごろインターネットやテレビから受け取る情報が多く、その情報を正しく感じてしまい、「その様にしなければいけない」「そのようにせねばならない!」と感じて、がんじがらめに頑張って、そして思うような方向にならないと、「自分の子育てが間違っているのでは?この子はおかしいのでは?私はおかしいのでは?」と考えてしまいがちです。
そして、勝手にイライラしたり、落ち込んだりしてしまいます。
本当は我が子を抱きしめてあげたいのに、本当は優しくしたいのに、本当は・・・。
誰かの教えや方法も自身の子育てのヒントにはなります。ただ、自分の気持ちを大切にして、それに従ってみること。このことを忘れてはいけません。
自分の気持ちを大切にし始めた彼女は少しずつ、相手(長男)の気持ちも大切にできるようになりました。そして、そのことが愛されている安心感を長男に与え、弟にも愛情を持った接し方ができるようになっていったのですね。
様々な体験を通して、私たちはそれらを理解し、育んでゆくことができるのです。ご自身の想いを大切にしたとき、自分流の子育てを楽しむことができるのです。
ワンポイントカラダケア【痩せる急所の脇腹】
- 水科 江利子(みずしな えりこ)
■一般社団法人 セルフアドヴァンス協会 代表理事
■ieスタジオ 代表
■加圧トレーニング、骨盤調整、健康体操指導、整体、コーチ、パフォーマンス学など多岐に渡る心身の資格所有
保育士を経験後、2015年、誰もが素晴らしい存在である!を実証すべく、自分で自分を癒し高めるサポートとして一般社団法人セルフアドヴァンス協会を設立。
自身の拠点でもあり、貸スタジオとしても運営するieスタジオ(新潟県三条市仲之町2-14)では、美と健康のレッスンを中心に様々なイベントが開催されている。