子育て&ワーク

子どもと一緒に考えるキャリアデザイン(2)

2019.03.05

私も子どもも、自分らしく生きる・働く!

前回のコラムでは、キャリアデザインの手法についてお伝えしました。
子どもに、『今』『過去』『将来』の3軸の質問を投げかけ、回答を考えてもらいながら、将来のために今できることを模索する方法です。
 
子どもがキャリアデザインシートの記入に取り組んでいる間、親は少し手持無沙汰。
そんな時におすすめしたいのが、「自分用のキャリアデザインシートも用意し、一緒に取り組んでみること」です。

子どもと一緒に考えるキャリアデザイン(1)

やり方は子どもと同様です。
自分の過去の経験や今好きなこと、将来なりたい人物像などを洗い出すことで、将来に向けた今の自分を見つめ直すきっかけになります。
各々が記入を終えたらその内容について、親が子どもに質問するだけではなく、子どもにもいろいろな質問を投げかけてもらいましょう。
対話を通して、自他理解を深めると同時に、相手の話にじっくり耳を傾け、答えを受けることで、子どもの対話力向上にも繋がり、親子の信頼関係構築にも寄与します。
 
キャリアデザインに取り組む時間は、子どもだけではなく、大人にとっても、豊かなひと時となるのです。
先日、小学生・高校1年生向けキャリア教育、社会人向けのキャリア研修を行いましたが、「自分のことがよく分かった」「人生の目標を再発見できた」「計画的にスキルアップを目指したい」といった前向きな感想をいただきました。
年齢にかかわらず、『自分らしさ』や『ありたい自分』に気づくと、前に進む力が湧き出てくることを実感しています。

子どもと一緒に考えるキャリアデザイン(1)

ただ、親子で取り組むキャリアデザインについては、いくつか気に留めておきたいポイントもあります。
 
1.相手を否定しないこと
回答内容や、質問の返答に対して相手を否定してしまうと、「~したい」という意欲と、前向きに頑張る気持ちが損なわれかねません。
相手の考えに間違いを感じたとしても、否定せずにその考えを一度受け止めましょう。
そのうえで「自分はこう思う」と、「私(アイ)」を主語にしてメッセージを伝える「アイ・メッセージ」を意識しましょう。
 
2.今の将来像に固執しすぎないこと
キャリアデザインで考える『自分らしさ』『ありたい自分』は、あくまでも現時点のもの。
低年齢の場合は特に、これから増えていく経験・出会う人・読んだ本などによって、自分の思いは様々な方向に変わり、自分らしさ・自分の興味・能力・価値観など、『ありたい自分』は、どんどんアップデートされていきます。
だからこそ今、 お子さんの可能性を広げるためにも、親として意識的に子供の経験を増やしてあげる関わりも心がけて頂きたいと思っています。
 
もし今後、子どもが自分の方向性に悩んだ時には、親がキャリアの相談役になることもあるでしょう。
そんな時は、子どもの『自分らしさ』と『ありたい自分』、『「こうしたい」という意思』を大切に、一緒に方向性を考えてあげてください。
子どもの一番の味方となり、その歩みを応援してあげてくださいね。

子どもと一緒に考えるキャリアデザイン(1)

そして今後、あなた自身が自分の進むべき道に迷ったら。
「自分らしく生きたい・働きたいけど、自分らしさが分からない」、「モヤモヤして前に進めない」と悩んだ時には、まずは何にどうして悩んでいるのかを言葉にし、『内省』を深めてみましょう。
『内省』とは、自分の心と向き合い、考えや言動を省みること(何をどう感じ、どうありたいと思う自分がいるのか、何をどうすべきだったのか、そこにはどんなギャップがあるか等)。
じっくり考えることで、自身に対する新たな気づきや、悩み解消のヒントが得られるかもしれません。
その上でどうにもならない時にはぜひ、一人で考え込まず、キャリアカウンセリングをご活用くださいね。
キャリアカウンセラーが、あなたの『自分らしさ』『ありたい自分』を大切に、一緒に解決策や方向性を考えていくことでしょう。
 
全13回にわたるコラムも、今回が最後になりました。
これからも、『1人1人が自分らしくイキイキと輝けるように』『人生のあらゆる瞬間において、前向きな気持ちで一歩を踏み出して頂けるように』皆々様の人生の歩みを応援していきたいと思っています。

  • あなたがイキイキ輝ける『あなたらしい』キャリアと、お子さんがイキイキ輝く『その子らしさ』を大切にしたこれからの歩みを…いつも応援しています!

  • 若槻彩子(わかつき あやこ)

国家資格キャリアコンサルタント・キャリアカウンセラー/JCDA認定CDA(キャリアデベロップメントアドバイザー)/音楽療法インストラクター/メンタル心理ミュージックアドバイザー/快眠セラピスト/メンタル心理ヘルスカウンセラーなどの知識・資格を活かした個別キャリアカウンセリングやイベント・研修等を中心にキャリア支援活動を行なう。講演実績多数。
https://wcareer.jimdo.com